スタッフブログ
富士山を望むグランピング・コテージの木造施設を長持ちさせる木部塗装完全ガイド
2026.09.16
スタッフブログ

富士山を望むロケーションでのグランピング・コテージ体験は、多くのゲストを惹きつける魅力的な宿泊スタイルです。木の温もり・自然素材の風合い・森の中の非日常感
——これらを演出するために木材が多用されているのが、このカテゴリーの施設の特徴です。
しかし、富士山麓という環境は木材にとって非常に過酷な条件が重なります。
・標高800〜1,000mの紫外線(平地の1.1〜1.5倍)
・桂川・富士五湖からの霧・多湿による腐朽菌の繁殖
・冬季の積雪・凍害による木材の膨張・収縮 ・強風による乾湿の急激な変化
これらの条件が重なることで、平地の木造建物では20〜30年持つ木材が、富士山麓では10〜15年で深刻な腐食が始まるケースがあります。
「ウッドデッキの板を踏んだら抜け落ちた」
「ログハウスの外壁板が一面黒くなってカビが生えた」
「フェンスの支柱が倒れてゲストに怪我をさせた」

——これらは適切な木部塗装メンテナンスで防げるはずの事故です。
富士吉田市・富士河口湖町・都留市・大月市など山梨県東部エリアで創業46年の西山建材工業(プロタイムズ富士吉田店)が、木部塗装の完全ガイドをお伝えします。
木材が富士山麓で特に傷みやすい理由
紫外線による光分解(グレーイング)
木材に紫外線が当たると、木材の主成分のひとつであるリグニン(木材に強度と色を与える成分)が分解されます。この光分解が進むと木材の表面が灰色〜黒色に変色し(グレーイング)、表面が毛羽立って水分を吸収しやすくなります。
富士山麓の強い紫外線は、このグレーイングを平地より早く進行させます。
腐朽菌・カビによる木材の分解
腐朽菌(木材腐食菌)は木材のセルロース・リグニンを分解して生存する真菌です。繁殖には「水分(含水率20%以上)・酸素・温度(5〜40℃)」が必要です。
富士山麓の多湿環境は、木材が常に高い含水率を保ちやすい状態を作ります。腐朽菌が繁殖すると木材は内部から分解されて強度が失われ、表面上は色が変わった程度に見えても内部が空洞化・脆弱化していることがあります。
凍害による木材の内部破壊
吸水した木材が冬季に凍結すると、水の膨張(約9%増加)で木材の繊維が引き裂かれます。これが繰り返されることで、木材の内部に亀裂・剥離が進行します(凍害)。
塗装が劣化して吸水性が高まった木材は、凍害リスクが特に高くなります。
木部塗料の種類——正しい選択が寿命を左右する
木部に使用できる塗料は大きく「浸透型」と「造膜型」に分かれます。この選択が木部の耐久性に大きく影響します。
浸透型(含浸タイプ)——富士山麓の木部に最も推奨
浸透型塗料は木材の内部に浸透して保護する塗料です。木材の表面に厚い塗膜を形成しないため、木材の呼吸(水蒸気の出入り)を妨げません。

メリット
・木材の膨張・収縮に追従するため剥がれにくい
・木目・木の質感を活かした仕上がり ・防腐・防カビ・防虫成分を木材内部に届けられる
・富士山麓の寒暖差・凍害環境での追従性が高い
デメリト
・造膜型に比べて耐水性・耐候性がやや劣る場合がある
・再塗装の頻度が造膜型より高い(2〜4年ごと)
主な製品タイプ:キシラデコール・ノンロット・ウッドガード等
造膜型——木部には基本的に不向き(例外的な使用場面あり)
造膜型塗料は木材の表面に硬い塗膜を形成する塗料です。一般の外壁用シリコン塗料・アクリル塗料が該当します。

メリット
・高い防水性
・耐候性
・色の種類が豊富
デメリット
・木材の膨張・収縮で塗膜が割れ・剥がれやすい
・剥がれた塗膜の下で木材が腐食する「密閉腐食」のリスク
・一度剥がれ始めると再塗装の際にケレン(旧塗膜除去)が大変になる
造膜型を木部に使う場合は「木目を完全に隠す塗りつぶし仕上げ」を希望する場合に限り、木部専用のウレタン・シリコン系造膜塗料を選んでください。一般の外壁用塗料を木部に流用するのは避けてください。
防腐・防カビ・防虫成分の配合が必須
富士山麓の多湿環境・腐朽菌リスクを考えると、浸透型塗料の選択時に「防腐・防カビ・防虫成分が配合されているか」を必ず確認してください。これらの成分が木材内部に浸透することで、腐朽菌・カビ・シロアリへの抵抗力が大幅に高まります。
素材別の対応方法
ウッドデッキ
ウッドデッキは踏み圧・雨水・紫外線・凍害という複合的なストレスにさらされます。特に問題になりやすいのが以下の箇所です。
リスクが高い箇所:
・床材と根太(床材を支える横材)の接合部——水が溜まりやすく腐食が進みやすい
・柱・束(床を支える縦材)の地面接触部——常時湿気にさらされる
・デッキ材の端面(木口)——塗料が塗られにくく吸水量が多い
対策:
・床材の隙間を適切に設けて水はけを確保する
・地面接触部の柱・束は防腐処理材を使用または防腐剤塗布を重点実施
・端面(木口)には防腐剤を重点的に浸透させる
・2〜3年ごとの全面再塗装(浸透型防腐塗料)
ログハウス外壁
ログハウスの外壁は大きな丸太または角材で構成されており、塗装面積が大きく再塗装のコストも大きくなります。だからこそ1回の施工での選択が重要です。
リスクが高い箇所:
・北面・西面(日当たりが少なく常時湿気が多い面)
・水平に近い角度のログ材の上面(水が溜まる)
・接合部・コーキング部分
対策:
・防腐・防カビ・防虫成分配合の浸透型塗料を使用
・北面・西面は年1回を目安に目視確認→異常があれば早期部分補修
・2〜3年ごとの全面再塗装(平地の3〜5年より短いサイクル)
木製フェンス・ゲート
木製フェンスは風にさらされやすく、支柱の地面接触部から腐食が始まるケースが多いです。また強風でフォルダが倒れるという事故リスクもあります。
対策:
・支柱の地面接触部には防腐処理材を使用
・年1回の目視確認(支柱を手で揺らしてグラつきがないか確認)
・腐食が始まっている場合は支柱の交換が安全上必要
木製窓枠・ドア
窓枠・ドアは開閉による摩擦・水の浸入・紫外線の複合ストレスにさらされます。
造膜型塗料(木部専用ウレタン等)が適しているケースが多いです。
対策:
・3〜5年ごとの再塗装
・窓枠周辺のコーキングの状態確認(コーキング劣化が水浸入の原因になる)
木部塗装前の「ケレン」が品質を決める

木部塗装で最も重要な工程が「ケレン(旧塗膜の除去・下地処理)」です。
既存の塗膜が剥がれかけている状態で新しい塗料を塗っても、既存塗膜ごとすぐに剥がれます。ケレンは手間と時間がかかる工程ですが、これを省略すると数年で再塗装が必要になります。
ケレンの方法:
・電動サンダー:平坦な面の旧塗膜を均一に除去
・スクレーパー:剥がれかけた塗膜を手作業で除去
・ワイヤーブラシ:サビ・カビ・劣化した表面を研削
費用節約のためにケレンを手抜きする業者がいますが、これが早期剥がれの最大原因になります。「ケレン作業はどの程度行いますか?」と業者に確認してください。
メンテナンスサイクルと費用の目安

上記は概算です。実際の費用は木部の状態・使用する塗料・ケレンの程度によって大きく異なります。まず無料診断でご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. ウッドデッキが灰色・黒色に変色しています。塗装で直せますか?
A. 灰色変色(グレーイング)は紫外線による表面劣化で、研磨(サンディング)後に浸透型塗料を塗ることで木目を活かした状態に戻すことができます。黒色はカビによる変色で、専用の洗浄剤で除去後に防腐塗料を塗ります。ただし内部まで腐食が進んでいる場合は部材交換が必要です。
Q. ログハウスの再塗装は自分でできますか?
A. ログハウスの外壁は面積が大きく、高所部分も多いため、プロへの依頼をお勧めします。特に防腐剤の適切な使用量・ケレン作業・高所作業の安全確保は専門的な知識と機材が必要です。
Q. 木部腐食の限界を判断する方法を教えてください。
A. 木材に千枚通し(アイスピック)を刺してみて、抵抗なく1cm以上刺さる場合は腐食が深刻な状態です。また手で力を加えて著しくたわむ・割れる場合は強度低下が起きており、部材交換が必要です。
Q. 木部をメンテナンスフリーな素材に変えることはできますか?
A. ウッドデッキを人工木(合成木材)・アルミデッキ材に変更する、木製フェンスを樹脂フェンスに変更するなどのリフォームは可能です。初期費用は高くなりますが、メンテナンスコストを大幅に下げることができます。
まとめ——木造施設の「放置」が最もコストがかかる
富士山麓のグランピング・コテージ施設における木部の放置劣化は、塗装補修で対応できる段階から、部材交換が必要な段階へと急速に進行します。
2〜3年ごとの定期的な浸透型防腐塗料の塗装が、最もコスト効率が高く、ゲストの安全も守る最善策です。
富士吉田市・富士河口湖町・都留市・大月市など山梨県東部エリアで創業46年。株式会社西山建材工業は、2024年・2025年山梨県施工実績第1位を獲得。全国4,000社以上のアステックペイント加盟店の中でも、厳しい品質基準をクリアした「プロタイムズ」加盟店として、2026年5月セールスチャンピオンズカップ全国第1位、甲信越・北陸エリアでは2026年4月・5月の2大会連続第1位を受賞。さらにアステックペイント全国施工実績10位以内の実績を誇る、地域密着の外装リフォーム専門店です。
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執筆者: 株式会社西山建材工業 代表取締役 西山飛翔 (一級塗装技能士・二級建築施工管理技士・外装劣化診断士)

